間取り・プランニング 2026/06/21

平屋で後悔する人しない人|5つの違い

家づくりを考え始めると
一度は目にすることが多い「30坪の平屋」という選択肢。

暮らしやすそうだと思う一方で
「家族4人で30坪は狭くない?」
「子どもが大きくなったら足りなくならない?」
と不安になる方も多いと思います。

結論から言うと30坪だから狭いとは限りません。
ただし希望を詰め込みすぎたり、将来の暮らし方を考えずに進めたりすると、後悔につながることがあります。

今回は30坪という数字だけにとらわれず、
どのような考え方をすると平屋で後悔しやすいのか
を実際のご相談をもとにお話しします。

川越・東松山・所沢を中心とした埼玉県西部エリアで自然素材の家づくりをしている信濃住宅の森です。

平屋をご検討中の方とお話ししていると、特に30代のご夫婦から
「30坪くらいだとやっぱり狭いですか?」
というご質問をよくいただきます。

しかし実際の暮らしやすさは、床面積だけでは決まりません。

同じ30坪でも、家族に合った家と、希望を詰め込みすぎて窮屈になる家があります。

埼玉で建てた30坪前後の平屋と小屋裏のある木のリビング
小屋裏までつながる、縦の広がりを活かした平屋のリビング

◆ 埼玉で30坪の平屋を考えるときの不安

平屋の魅力は、生活がワンフロアで完結することです。

階段を使わずに移動できる
家事動線を短くしやすい
子どもの気配を感じやすい
年齢を重ねてからも暮らしやすい

子育て中から老後までを考えられる住まいとして、平屋に惹かれる方が多いのも自然なことです。

一方で平屋はすべての部屋を1階に配置します。
同じ床面積の2階建てと比べると、建物を建てるために必要な土地の広さも大きくなります。

埼玉県西部でも駅や学校に近い場所、生活に便利な場所を選ぶと、希望する広さの土地が見つからないことがあります。

そこで現実的な大きさとして出てくるのが、30坪前後の平屋です。

「30坪で家族4人は狭くない?」
「リビングや収納をきちんと確保できる?」
「子どもが大きくなっても暮らせる?」

こうした不安があると平屋に憧れていても、なかなか次の一歩を踏み出せなくなります。

◆ 30坪の平屋は本当に狭いのか

30坪は畳数に置き換えると約60畳分です。

もちろんそのすべてを居室として使えるわけではありません。
玄関、廊下、水まわり、収納なども床面積に含まれます。

それでも家族4人で暮らすためのLDK、夫婦の寝室、子ども部屋、水まわり、収納を計画することは可能です。

大切なのは30坪を広いか狭いかだけで判断することではありません。

たとえば同じ30坪でも

・廊下が多い間取り
・使わない予備室がある間取り
・収納を細かくつくりすぎた間取り
・部屋を壁で細かく分けた間取り

では家族が日常的に使える空間が少なくなります。

一方で廊下をできるだけ減らし、LDKを家の中心に置き、必要に応じて空間をつなげられるようにすると、同じ30坪でもゆとりを感じやすくなります。

面積の数字よりも、その中に使わない場所がどれくらいあるかを見ることが大切です。

◆ 30坪の平屋で後悔しやすい人の共通点

30坪の平屋で後悔しやすい方には、いくつか共通する考え方があります。

希望をすべて同じ優先順位で考えている

家づくりを始めると、取り入れたいものがたくさん出てきます。

広いリビング
子ども部屋を2室
夫婦それぞれの個室
大きなファミリークローゼット
ランドリールーム
来客用の和室

どれも魅力的ですが30坪の中ですべてを十分な広さにしようとすると、どこかに無理が出ます。

後悔を防ぐためには
絶対に必要なもの、できれば欲しいもの、なくても困らないもの
に分けて考えることが必要です。

今の暮らしだけで部屋数を決めている

子どもが小さいうちは個室をほとんど使わないこともあります。

一方で成長すると、それぞれが落ち着いて過ごせる場所が必要になります。

反対に独立後は子ども部屋を使わなくなるかもしれません。

最初から完成した個室を増やしすぎるのではなく、将来仕切れる部屋にしたり、用途を変えられるようにしたりする方法もあります。

収納は多いほど安心だと思っている

収納不足は困りますが収納を増やすほど居室は小さくなります。

また奥行きが深すぎる収納や、使う場所から離れた収納は、面積を使うわりに物を取り出しにくいことがあります。

収納量だけでなく

・何をしまうのか
・どこで使うのか
・誰が片付けるのか
・将来も必要なのか

まで考えることが大切です。

30坪の平屋では、広い収納よりも、使う場所の近くに適量の収納をつくるほうが暮らしやすいことがあります。

◆ 間取りを詰め込みすぎると窮屈になる理由

限られた面積の中に希望を詰め込むと、部屋は細かく分かれていきます。

壁や建具が増える
廊下が必要になる
家具を置ける壁が少なくなる
視線がすぐに止まる

すると必要な床面積は確保していても、実際に立ったときに窮屈に感じやすくなります。

平屋は上下階をつなぐ階段がありません。
そのため何も工夫しなければ、視線や空間の広がりが横方向だけになりやすい特徴があります。

さらにすべての部屋の天井を同じ高さにすると、空間に変化が生まれにくくなります。

そこで考えたいのが天井や屋根の高さを活かす方法です。

勾配天井にする。
高い位置に窓を設ける。
小屋裏とリビングをつなげる。

こうした工夫によって、床面積を増やさなくても、視線が上へ抜け、広さを感じやすくなります。

30坪の平屋を広く感じさせる勾配天井と薪ストーブのあるリビング
屋根の高さを活かした勾配天井のあるリビング

◆ 30坪の平屋の現実的なデメリット

30坪の平屋は家族4人でも十分に暮らせる可能性があります。

ただしどのご家庭にも合うわけではありません。

たとえば次のような希望がある場合は、30坪では窮屈になることがあります。

・家族全員が広い個室を必要としている
・来客用の部屋を常に空けておきたい
・趣味の道具や仕事用品が多い
・大型家具をたくさん置きたい
・将来、同居する家族が増える可能性が高い

また平屋は建物の面積がそのまま1階に広がるため、土地によっては庭や駐車場が十分に取れなくなる場合もあります。

防犯や外からの視線日当たりについても、窓の配置と外構を一緒に考える必要があります。

大切なのはデメリットを隠すことではありません。

ご家族が求める暮らしと30坪の平屋が合っているかを、建てる前に確認することです。

◆ それでも平屋を選ぶ人が多い理由

デメリットがあっても平屋を選ぶ方が多いのは、日々の暮らしに大きな魅力があるからです。

家事のために上下階を行き来しなくてよい
家族の気配を感じやすい
子どもの転落を心配する階段がない
年齢を重ねても生活の場所を変えずに暮らせる

こうした良さは、床面積の数字だけでは測れません。

また屋根の中を小屋裏やロフトとして活用できれば、1階の床面積を抑えながら、収納や子どもの居場所をつくれることもあります。

30坪の平屋で小屋裏を子ども部屋として活用した木の家
小屋裏をフリースペースや子どもの居場所として活用

ただし家族の人数や暮らし方は、ずっと同じではありません。

子どもが生まれる
在宅勤務が増える
親との同居を考える
子どもが独立する

今だけでなくこうした変化にどう対応するかも、30坪の平屋を考えるうえで大切なポイントです。

◆ まとめ

30坪の平屋は決して狭い家と決まっているわけではありません。

廊下を減らし部屋の使い方を柔軟にし、収納の場所や量を丁寧に考えることで、家族4人でも暮らしやすい住まいを計画できます。

一方で次のような方は後悔しやすい傾向があります。

・希望をすべて同じ優先順位で詰め込む方
・今の家族構成だけで部屋数を決める方
・収納は多いほどよいと考える方
・坪数だけで広さを判断する方
・実際の建物で広さを体感せずに決める方

30坪の平屋が向いているのは、部屋の数よりも家族が一緒に過ごす場所を大切にしたい方や、家事動線を短くしたい方です。

反対に家族全員が広い個室を必要とする場合や、荷物・趣味・仕事の場所を多く確保したい場合は、面積を増やすか、2階建ても含めて考えたほうがよいことがあります。

平屋で後悔しないために大切なのは、30坪という数字ではなく、その面積でどのような暮らしをしたいかを考えることです。

このシリーズでは30坪の平屋について、広さの感じ方と将来の暮らしの変化という2つの視点から続けてご紹介しています。

図面だけでは分かりにくい広さや天井の高さ家族の距離感が気になる方は、実際の木の家も参考にしてみてください。

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