床の表面温度

快適さに深く関わる床表面温度

人が室内で快適に過ごせる温度や湿度は、季節によってある程度の基準があります。一般的に、夏場は温度が25~28度で湿度は45~60%、冬場は温度が18~22度で湿度は55~65%です。

一般的な室内の適温例
  温度 湿度
夏場 25~28度 45~60%
冬場 18~22度 55~65%

 

しかし暑い、寒いの感覚は人によって異なります。
室温は暖かいのに寒いと感じる人もいれば暑いと感じる人もいる、室温と体感温度には差があります。

体感温度≒(室温+表面温度)/2

表面温度とは床・窓・壁の表面温度です。

床・窓・壁の表面温度は断熱性能を上げることで高めることができます。
その中でも体に直接接する床の表面温度は体感温度に大きく影響します。

また足元が冷える原因に「スキマ風」の影響もあります。
せっかく暖房しても暖かい空気が上方に集まってしまうことでなります。

快適に感じる体感温度の住まいはバランスの良い断熱計画と、足元を重視した素材選びがポイントです。

足元が暖かい無垢材

当社の床材は3センチの厚みの赤松、桐などの「無垢材」を床に採用しています。
冷凍庫から一般的に使用されている新建材の複合フローリングと桐の無垢材を出して表面温度を測定してみました。

床の表面温度:01

床の表面温度:02

床の表面温度:03

新建材が3.8度、無垢材が8.8度、約5度の差がありました。わずかな差に思いますが、体感温度には大きな影響が出てきます。

無垢の木にはには空気を蓄えておける隙間があります。生きているときには細胞水を蓄えていた場所です。空気を蓄えられる隙間の割合は「空隙率」で表されます。

「空隙率」は樹種により差があり、比較的硬い広葉樹は少なく、針葉樹の方が多くなります。

具体的にはタモには少なく、赤松、杉や桧には多いということになります。

合板フローリングも元々の素材は木ですが、1.0mm~2.0mmの薄くスライスした木を接着剤で貼り合わせていくので、1.0mm2.0mmでは薄い木の中まで接着剤が浸透し、「空隙」は接着剤の樹脂で埋められてしまいます。

また合板フローリングは均質な工業製品としての品質を求められるために製造工程で圧縮プレスされます。

プレスし圧縮することにより、強固に接着させることが出来ます。また、表面硬度が上がることで傷が付きにくくなります。

この過程でわずかに残った空気と言えども完全に追い出され、木の特質である「空隙率」は限りなく0になってしまいます。

無垢材が夏でも肌触りがさらさらして気持ちがよいのはこのような理由による現象です。

当社の展示場で薪ストーブを焚いた際、一番熱源から遠い1階のキッチンの床の温度は22.2度になっていました。

床暖房が無くても十分暖かく感じる温度になっています。

気密住宅なのにスキマ風

「24時間換気」という言葉をご存知ですか?

24時間換気システムとは、給気口から外気を室内に取り込み排気口から外に出すもので、室内の中の空気が最低でも1時間で半分は入れ換わる必要があります。最近では高気密住宅も増えてきており、もちろん高気密にすることによるメリットも多いにありますが、自然に換気されづらくなっているということもあり、24時間換気システムがないと部屋の空気がよどんでしまい、身体に悪影響を及ぼしてしまう可能性もあります。

換気口をあけるとせっかく温めた空気が出て行ってしまい、冷たい空気が入ってきます。強風のときには音も気になります。

そもそもこの24時間換気はなぜしなければならないのか。これは平成15年7月1日以降、「シックハウス法」として建物全体の空気を入れ替える換気機器の設置が義務付けられているからです。建築材料で使われる化学物質が室内に留まりやすいというデメリットもありました。空気中の有害物質の濃度が高まると、シックハウス症候群と呼ばれる不快な症状に悩まされることになります。

当社の家にも義務の為、換気設備はついていますが、使う必要がありません。無垢材や珪藻土クロスなど、化学物質の出る建材を使用していないからです。